オーディオみじんこが何を製作するのか、皆さん興味津々のことと思います。
その第一作目はスピーカー「花蓮」です!「花蓮」はデスクトップで使用する小型スピーカーで、10㎝フルレンジユニットを搭載します。
ハイエンドオーディオ然とした威圧感のあるスピーカーではなく、“見て愛らしく聴いて楽しい”スピーカーを目指しています。
さて、今日は「花蓮」の製作風景を少しご紹介しましょう。
12月中旬、設計図通りにカットされた板材が届きました。大まかなカットはその道のプロに依頼していますので、精度は抜群です。
板材をフロントバッフル、リアバッフル、再度バッフルなどに分類して早速製作開始です。
ちなみに板材は12mm厚のシナ積層合板です。私が使い慣れた板材で、硬すぎず柔らかすぎず、スピーカーに好適な板材です。木口はシナ突板で塞ぎます。
まずは小さな木片を接着してコの字型のパーツを作ります。これはダクトの補強パーツです。
ボール盤を使っての穴あけ作業。細かい穴あけはこのように我々で行っています。正確かつ丁寧な作業が求められます。
コの字型パーツとダクトとをフロントバッフルに固定。一挙に30台製作します。
フロントバッフルとサイドバッフルとを固定し、さらに天板を固定します。小型ながら結構複雑な構造のスピーカーなので、精度が問われる作業です。
この手の工作に手慣れたスタッフと手分けして作業します。まだお店のオープン前なので、お店のメインスペースをめいいっぱい作業場として使っています。
釘は基本的に使わず、板材同士は木工ボンドで固定しています。板材がずれないよう慎重に位置合わせをしつつ、クランパーで固定します。
板材のずれがないか細かくチェックして、ボンドの乾燥をじっくりと待ちます。
スピーカーのエンクロージュア(ボックス)が形を現わしてきました!ここに至るまで3日間ほど経過しています。
組み上げたエンクロージュアをやすり掛けし、これからいよいよカラーリングに入ります。
塗装には私のノウハウが色々詰まっているのですべては公開できませんが、お店の雰囲気と同じくアンティーク(古美)仕上げにしていきます。
これはチークカラーのステインを2回塗りした状態。まだこの段階ではアンティーク感は出ていません。
こちらは濃い目のステインでカラーリング。マホガニーおよびウォルナットカラーです。この段階ですでに製作開始から5日経過。
これはリアバッフルです。「花蓮」はリアバッフルが着脱式になっており、エンクロージュアとはねじ留め固定されます。
左がマホガニー、右がウォルナットカラーでの塗装を数回重ねて、やすりで表面を研磨した状態。
続けてオイルを浸み込ませていきます。厚く塗りすぎるとオイルがダレる、薄すぎると艶にムラが出るので、均一にオイル仕上げをする必要があり、集中力が問われます。
アンティーク仕上げの肝となるカラーリング作業中。一台一台の木目の表情を見ながら、丁寧に配色していきます。
筆を用いて様々なカラーのステインやオイルを塗っては拭き取りを繰り返して、板の表情に深みを出していきます。
先行して10台分のカラーリングを終えました。ここまでで7日間を要しています。
試しにグリルネットをはめ込んでみました!きれいでしょ。そう、「花蓮」はちりめん柄のグリルネットが付属していて、グリルネットの交換でこんな表情豊かなスピーカーになるのです。
それを紹介します。
これは小さな花柄。紅い色がアンティークカラーのエンクロージュアに映えますね。私はこれが一番好きかな。
こちらは鳥の足跡風の文様が刻まれたグリルネット。スタッフの一人はこれが一番好きだと言っています。
紫色の花柄も落ち着いていてキレイですね。
緑に花柄が映える可愛らしいグリルネット。
爽やかな水色は夏に向いていますね。
つばき柄のグリルネット。これも斬新で面白いです。
こちらはグリルネットを外した状態。10cmフルレンジのバスレフ型で、意外なほど朗々と鳴ってくれます。
皆さん、「花蓮」に興味をいだいていただけましたでしょうか。まだまだこのスピーカーには紹介したいツボがあるのですが、それは追々公開いたします。お楽しみに。
明けまして、開店おめでとうございます。 自作スピーカーマニアのMG850です。
(10数年前にみじんこさんからMG850を譲っていただいたものです)
アンティーク塗装にはとても興味があります、近いうちに伺って実物を拝見したいと思っています。