幾つかの試作を重ねた末、ようやくオーディオみじんこオリジナルの「ハーモニックレコードスタビライザーAM-ST1」が完成しました!希望小売価格16,200円のところ税込み実売12,960円で発売開始です!
直径約80mm、高さ約50mm、質量約100g。AM-ST1はご覧の通り木製のレコードスタビライザーで、ウォールナットをハードメープルでサウンドイッチし、各層の境界面に真鍮板を挟み込んでいます。上層からハードメープル・真鍮・ウォールナット・真鍮・ハードメープルの5層構造となっております。
従来のレコードスタビライザーと「ハーモニックレコードスタビライザーAM-ST1」は根本的に考え方が違います。従来のレコードスタビライザーはレコード盤の反りを重さで押さえつけて矯正するというものがほとんどです。たしかにレコード盤が反っている場合、スタビライザーによって反りは矯正されますが、その反作用として再生音が重鈍に、具体的にはハーモニーが削がれて、抑圧された音になるという聴感上の副作用を伴います。
スタビライザーの質量が増せば増すほどレコードの再生音はデッドな音になる傾向があり、得るものもあれば失うものも大きかったのです。見かけ上の反り矯正を優先するのか、実際の音色を重視するべきか、これは私自身が10年ほど前にとあるレコードスタビライザーを開発した時に直面したジレンマでした。その時は質量可変型スタビライザーとして、サブウエイトの搭載個数で数段階の質量可変が行えるよう設計しました。
その時の経験、および市場に出回っているレコードスタビライザーを、私のラジオ番組ミュージックバードのオーディオ実験工房で聴き比べた際にも感じたのは、レコードスタビライザーは単なる「重石」にあらず。重い=音が良くなる、ではないということです。むしろ、軽いものにこそ、好ましいものが多い。
レコード針(スタイラス)はレコード盤の音溝の信号を拾っているだけではありません。先日、ゼンマイ式レコードプレーヤーが当店に訪れましたが、ガバナーやギアの回転音がレコード針からピックアップされ、それがスピーカーから流れてくるのです。スタビライザーもしかり、その固有の振動がレコード針に拾われて再生音に付加される。金属系スタビライザーは金属っぽい音、ガラス系はカチコチと硬い音で、それぞれに魅力はあるのですが、もっと有機的で生気に満ち満ちた音色を奏でるレコードスタビライザーはできないものか。世の中の常識とは違う、重さで押さえつけるのではなく、心地よいハーモニーを引き出すレコードスタビライザーを作ろう。それがハーモニックスタビライザーAM-ST1の開発の契機となりました。
続きはまた今度。