「TIME&SPAECE」のスマホスピーカー工作をお手伝いしました。

台風が過ぎ去って、東京は台風一過で過ごしやすい日でした。さて、一昨日のことKDDIのニュースサイト「TIME&SPAECE」にスマホスピーカー工作の特集が組まれました。題して「お菓子の空き缶で究極のスマホ用手作りスピーカーを目指した夏の軌跡」というもの。

タイム&スペースの編集者の方々がこの企画を立ち上げた際、知り合いの某スピーカーメーカーに助言を乞うたら、「みじんこさんだったら相談に乗ってくれるんじゃないか?」ということで私宛に連絡があり、面白そうなので協力させていただきました。

7月上旬の打合せの際、ニュースサイトの編集者の方々持参したのが上写真のスマホスピーカー。「これを音質アップできないでしょうか?」ということで、私なりにスマホスピーカーの音質向上を試し、7月中旬に当店で音質向上の実験を行ったのでした。

ご覧の通り、このスマホスピーカーはマーブルチョコの空き箱の両サイドに紙カップを取り付け、iPhoneを空き箱に突き刺した、至ってシンプルな構造。この手のパッシブスマホスピーカー、通称「紙カップスピーカー」造りが流行っているそうです。これすなわち、スピーカーのエンクロージュアの一種、フロントロードホーンに該当します。フロントロードホーンはスピーカーユニットのおもて側にホーンを設け、指向性の制御や音量の拡大を図ったもので、有名どころではイギリスはタンノイのウエストミンスター、ドイツはアバンギャルドのホーンスピーカーなどが挙げられます。

正直、編集者の方が持ち込まれた紙カップスピーカーは、音の拡張効果は感じられず、レンジも狭くて、素の状態のiPhoneの音の方が良い感じで、大して良い音はしませんでした。

音質をアップするには、まず紙カップと空き箱との隙間を埋めて一体にしてスピーカーの剛性を高める、次いでスピーカー自体に塗料をスプレーして剛性を高める手法を取りました。詳細はニュースサイトのページに記載していますが、このようにラバースプレーというゴム状になるスプレーを吹き付けてスピーカーを強化。へにゃちょこな紙カップを頑丈にしました。なお、スプレーはラバースプレー以外のものでも構わないと思いますが、ある程度厚塗りができる塗料が良いでしょう。

ラバースプレーを吹き付けた紙カップスピーカーにiPhoneをセットして音を出してみると、これが見違えるほど大変身の見事な高音質へ変身!もう、アクティブスピーカーはいらないんじゃないかと思うほど音量がアップし、かつホーンの効果によって音場が広大に広がり、聴いていて気持ち良いのです!これは私も取材の方々もびっくり仰天。紙カップスピーカー侮りがたし。この紙カップスピーカーは、音響用語で言うところのコニカルホーンというもので、円錐状に広がるホーンです。メガホンがコニカルホーンですね。

この後、取材の方々が取り組まれた紙カップスピーカーならぬチップスタースピーカーがこちら。この音を私は聴いてませんが、紙カップよりさらに音質向上しているようです。ニュースサイトに動画が公開されているのでそちらをお聴きになってみてください。塗装前のチップスタースピーカーはヤッターマンに出てきたヤッターワン、またはホワイトベースに似ていると思った次第。

こちらは紙カップスピーカーならぬ、石ねんどスピーカー。ダイソーで100円の石ねんどを2つ買って、こねこねして作ったもの。久々のねんど工作楽しかったです。この石ねんどスマホスピーカーは、音道が指数関数的に徐々に広がっていく「エクスポネンシャルホーン」に仕立ててみました。音道の広がり具合は勘で行いました。

iPhoneの下部にあるスピーカーから出た音が、徐々に広がる音道を通っていくうちに、音が拡張されるとともに、コンサートホールの響きのような、伸びやかで心地よい音に生まれ変わるのです。音道はねんどの内部で渦巻き状に、まるで巻貝のようにうねっています。

これが石ねんど(石粉ねんど)。紙粘土と違って、目が細かく、比重が高いです。乾燥後にやすりがけして形状を整えられます。また、オーブンレンジに入れて強制乾燥できるので、工作の時間短縮が図れるのも石ねんどの特徴です。とは言っても、ダイソーで売っている石粉ねんどは紙ねんどに近い、ふわふわと軽いもので、質的にはあまり良くないです。

きちんと作りたい人は、手芸店などで売っている石ねんどの定番品「アーチスタフォルモ」という人形造詣用の石ねんどを使いましょう。ダイソーの石粉ねんどより綺麗に造形できます。ただし、今回の作例は、「お菓子屋や100円ショップなどで手に入る素材で、手軽に安価に行う」というのがコンセプトのひとつにあったので、100円ショップのねんどを使いました。

ペットボトルなどの上部に粘土を巻き付けてラッパ状の型をとり、これをぐにゃりと曲げて形を作っていきます。スマホにサランラップを巻き付けて、スマホの周りにねんどを巻き付け、スピーカーのあたりに空洞を作って、先に製作したラッパとつなげます。

私はラッパを1本だけ右サイドに引き出すように設けましたが、どんなホーン形状にするかはあなた次第。ホーンの形はお好きなように。ねんど成形用のへらがあると形を自在に整えやすいですが、なければ指先やスプーンや箸などで形を作っていきましょう。

ある程度形が出来上がったら、半乾きのうちに、開口部に沿って包丁や大型のカッターナイフでスピーカーを真っ二つに切ります。たぶん音道は凹凸だらけで、ねんどのカスなどもあちこちにあって、音道はぐちゃぐちゃのはずです。

このままだと音がうまく音道を通り抜けできませんので、音道を滑らかに成形してやる必要があります。

そこで、上写真のように、音道が末広がりになるように、指先やヘラで音道を滑らかに修正します。その後、二つに分かれたブロックを合体させます。

その際、接合面にはどろどろに水で溶いた泥状の石ねんどを塗り付けてから合体させます。音道がねんどで埋まらないように、泥状の石ねんどの塗り過ぎは注意です。

形ができたら丸一日自然乾燥させるか、オーブンレンジや電子レンジで強制乾燥させます。

ねんどは乾燥するとわずかながら縮むので、スマホとねんどとの間に数ミリ隙間が空いているくらいが理想ですが、実際には収縮率を鑑みての工作は難しいので、乾燥後のはまりがきつかったらやすりがけで修正するのが現実的です。

さて、ねんどが乾燥したらiPhoneを挿してはまり具合と動作確認を行います。はまりにくかったら、紙やすりやカッターナイフや彫刻刀で削って修正します。隙間が空きすぎていたら、ねんどを盛って隙間を埋めていきます。

ねんどが乾燥したら紙やすりで表面を均して、形を整えます。このまま使っても良いのですが、色を塗るのも楽しいです。この絵の具は100円ショップで売っていた水彩絵の具です。

気の向くままに色を塗ってみました。絵の具同士をぼかして馴染ませるために、霧吹きで水をかけます。

こんな感じに仕上がりました。深緑の森にある洞窟のイメージです。旧ジブリ美術館のようにも見えます。

このまま使ってもいいのですが、この絵の具は水彩絵の具なので、水分が付くと絵の具が溶け出してきます。

ニスやラッカースプレーを吹き付けて、絵の具をコーティングし、絵の具の溶け出しを防ぐことにしました。

なお、アクリル絵の具であれば、使うときは水彩絵の具と同じ感覚で塗れて、乾燥後は溶け出すことはありませんので、ニスやラッカースプレー処理は必要ありませんので、アクリル絵の具がベストでしょう。

これにて完成!ニスでちょっとテカりすぎたか。彩度がもっと低い方が雰囲気が出たかも。

上から見たところ。グラデーションを付けて塗るのが楽しくて仕方がない。昔、立体造形をやっていた時を思い出しました。

こんなストロースピーカーも、ねんどとストローで作りました。

見た目は面白いけど、高域があまり出ないので、もこもこして音はさほど良くはないです。ストローの長さを変えることで、増強される音域も変わるはずです。

ラップの空き箱と、ラップの芯を利用して、こんなパイプオルガン風スマホスピーカーも自作しました。これは特定の周波数が増強される共鳴管の原理ですね。音は低域がどすんと響いて面白かったのですが、スマホが埋没しすぎて、スマホを操作しにくいという致命的な欠点が。

みなさん、子供と一緒に夏休みの工作に、紙カップスピーカー工作、ねんどスピーカー工作など、身近な素材でスマホスピーカー造りにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

8月いっぱい、私が作ったねんどスピーカーを当店で展示します。iPhone6用なので、これよりでかいスマホはささらないです。音はあまり期待しないでね。

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