これぞ自信作!コンセントベースの次期定番モデル AM-WOS1発表!

自信をもってお勧めできる壁コンセントベースの商品化の目途が付きましたので、ご報告いたします。

当店のオープン以来、好評をいただいている人気アクセサリーのジャンルに、壁コンセントベースがあります。壁コンセントベースとは、壁のコンセントと壁との間に挟み込むことによって音質向上を図るアイテムなのですが、オーディオアクセサリーとしては比較的新しく生まれたジャンルで、これを発案したのは、オーディオライターの故山本博道氏。同氏が今から15年ほど前に月刊ステレオに自作の木製コンセントベースを発表されて以降、アコリバ、チクマ、オヤイデ、オルトフォン、オーディオリプラスが相次いでコンセントベースを製品化。登場から15年ほど経ち、ここ数年は新製品の登場も少なくなり、落ち着いた感のあるコンセントベースですが、現在でもオーディオリプラスCPP2SZS、アコリバCB-1DB、チクマ75CP-712、オヤイデWPC-Z、J1プロジェクトPOB-1-J、フルテックGTXWALLPLATEが市場流通しています。

当店でもオープン当初に、ケヤキ、カリン、ブビンガ(アフリカンローズウッド)などのコンセントベースを商品化していましたが、いずれもすでに廃番となっています。現在では、上写真にあるAM-WBSシリーズとして、オーク無垢材(左)、チェリー無垢材(中央)、ウォルナット無垢材(右)の3種類をラインナップしています。これら3種類のコンセントベースは音色の違いによって選べるようになっており、音像がはっきりしたオーク、ボーカルや楽器の艶やかさが魅力のチェリー、繊細で優しい音色のウォルナットという区分けになっています。

 

この一年間これら店の定番の壁コンセントベースや、お客様の持ち込み支給材による特注壁コンセントベースを試聴していて思ったのが、定番品は音色の違いこそあれ優劣ではない、お客様が持ち込まれたローズウッドなどの希少材を用いた壁コンセントベースは、当店定番品よりも音質的に頭一つ飛びぬけているものが幾つもあって、壁コンセントベースの究極の理想の音の一端を見出すことができ、お客様のおかげで学ぶべきところが多くありました。

 

ローズウッド系の音はとても魅力的なのですが、安定的に提供ができず、入手ができたとしても少量で極めて高価な木材であることから、商品化はできないと判断。しかしながら、ローズウッドと同等、またはそれを凌駕するコンセントベースを開発するというのが、ずっと念頭にありました。

 

一方、特注製作品の中で、フィンランドバーチ積層合板による壁コンセントベースの依頼もあり、これはこれで素晴らしい音色を奏でるものではありました。一部のマニアの間では、フィンランドバーチ合板が最上という話も聞いていたのですが、実際のところ安定感のあるピラミッドバランスで、全体的にクオリティアップが図れる、好ましい板材であることも確認できました。

 

至上命題として、当店の定番品を音質的に超え、かつ1点物ではない、パーフェクトな音質のコンセントベースを開発すべく、ここ半年の間試作を重ねました。材料の方向性としては、異種木材のハイブリッド、および構造によるものを模索しました。

 

上写真は、最終選考に残ったウォルナットとチェリーのハイブリッド。ウォルナットとチェリーをミックスした音色ながら、もう一歩とびぬけた音であってほしい。

 

これはチェリーとフィンランドバーチのハイブリッド。チェリーの艶に、フィンランドバーチの締まりが加味されて、ウェルバランスな魅力を有しているので次点候補。

 

こちらはフィンランドバーチの極厚30ミリ厚。安定感のあるピラミッドバランスで、見た目もピラミッドっぽいけど、従来のフィンランドバーチと極端な違いはない。

 

そしてこれが今回、当店の次期定番品として採用することになったコンセントベース。フィンランドバーチを複数枚重ねて接着してプレスして10㎝厚にした後、木目(プライ)が表面にくるようスライスして板状にして、コンセントベースに仕立てたもの。これだけは音が際立っていたのです。音の立ち上がりが鋭くシャープで音抜け抜群で、声や楽器の一音一音が明瞭で奥行き感をもって表現され、音像がぼけることがありません。かといって、きつすぎる音ではなく、極々自然に空間に音が解き放たれる印象で、生々しいリアルさと広大な音場が、このコンセントベースからは出てくるのです。複数の常連さんも交えて何度も試聴したのですが、やはりこのコンセントベースが飛びぬけて優秀で高評価でした。木工職人さん的には最も製作の手間がかかるこのコンセントですが、音質優先でこれを当店の今後の一押しコンセントベースとして定番化することに決定しました。おそらくプライが縦に並んでいることで、振動の逃げが早いのではないかと思います。

 

さらにこのコンセントに、私がオイルステインとニスを複数回手塗したのが上写真。この仕上げで商品化します。型番はAM-WOS1とします。表面の硬度を高めて有機的な音色を付与しつつ、見栄えも向上しています。ローズウッドに勝るとも劣らない、自信作となりました。現在、初回ロット10枚のシングルコンセントベースを製作中です。

 

AM-WOS1のサイズは98x150x25ですが、一点一点木工職人が手仕事で製作しておりますので、若干の寸法の前後はあります。発売は7月上旬。非常にコストと手間がかかっておりまして、従来の定番品よりもだいぶ高くなってしまいまして、AM-WOS1の販売価格は税込10,800円になりますが、十分にその価値はあると思います。AM-WOS1の付属品は50mmのステンレスねじ2本です。数量的に在庫が潤沢になればオンラインショップにアップしますが、当面はメールか電話か直接来店でのご予約とします。7月下旬ごろになると思いますが、ダブルも予定しています。トリプルまでできるかは、あまりの積層枚数になるので現段階では未知数ですが、希望があればご連絡ください。

これにともない、当店の壁コンセントはいったんAM-WOS1に一本化し、従来の定番品AM-WBSシリーズ(ウォルナット、チェリー、オーク)は在庫限りで終了とさせていただきます。

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