SILVER HARMONIZER RS レコードスタビライザー発売のお知らせ

“SILVER HARMONIZER”シリーズにレコードスタビライザー“SILVER HARMONIZER RS”が登場しました!

“SILVER HARMONIZER RS”は、シルバーハーモナイザーシリーズ共通の仮想アース機能を有したレコードスタビライザーです。オーディオみじんこ主催の荒川は、某社在籍時代の質量可変型STB-MS/HW、後継のSTB-MSX/HWX、STB-CM、水準器EP・アダプタ兼用型のSTB-EPの発案・開発など、長きにわたりレコードスタビライザーの開発に携わってきました。さらに、オーディオみじんこを立ち上げて以降は、仮想アース内蔵の木製レコードスタビライザーAM-ST1/ST2の製品化と、レコード再生におけるレコードスタビライザーの可能性を追い求めてきました。

荒川がレコードスタビライザーで重視するのは、機能美と握りやすさ、価格の妥当性、副作用の少なさ、できるだけ多くの種類のレコードプレーヤーに対応できる質量と寸法、そしてなによりもレコードスタビライザーによる音質向上を明確に実感していただける性能の高さです。

ことレコード再生においては、レコード盤の音溝からカートリッジのスタイラスがピックアップする微細な振動を電気信号に変換する都合、カートリッジの針先からは、レコード盤の音声信号だけが拾われるわけではありません。すなわち、スタイラスのスクラッチノイズをはじめ、カートリッジ・ヘッドシェル・トーンアーム・レコードプレーヤーのキャビネット・インシュレーター・プラッター・ターンテーブル・ターンテーブルシート・接地面などの固有振動数または共振、モーターの回転振動などがミックスされて再生音に影響してきます。ハウリングマージンうんぬんと言った話も、外界の振動がレコード再生に影響することを物語っています。これら振動の影響は、スタイラスが音溝を物理的にトレースする接触型のレコード再生においては避けがたい事象であるとともに、むしろレコード再生が他の非接触型メディア再生とは異なる魅力の音色を放つ一因になっているのではないかと考えます。無論、CDやネットワークオーディオなどの非接触型メディアによるオーディオにおいても、外界の振動はその再生音に影響してくるのですが、レコード再生においてはその影響度が非常に大きいのです。ゆえに、レコード再生はリスナーのチューニング次第で、その再生音が大きく変わる面白さを持っているのです。

世には新旧含めて様々なレコードスタビライザーが存在します。振動吸収を謳った製品、多機能性、レコード盤の反りの矯正を主眼においたものなど、その目的や作用機序は様々です。そして、レコードスタビライザーそれぞれに開発者の信念と理想があり、素材や構造もありとあらゆるものが試みられてきました。それらのレコードスタビライザーには、当然ながらその製品がもつ固有の音色が感じられます。そして、その音色はレコードの再生音に付与されてリスナーの耳に届くのです。

“SILVER HARMONIZER RS”は、アルミとステンレスなどで構成されたシンプルなハウジングですが、その内部には3種の天然鉱石が充填されたリング状の銀メッキ銅チューブ、スパイラル状に巻かれた2.0mmの4N純銀単線、静電気除去素材、ステンレスフィラーが内蔵された、やや複雑な構造を有しています。それらひとつひとつの構成要素は、開発者の荒川が長年のレコードスタビライザーの開発、大蛇やヘリオスシリーズなどのケーブル製作、およびシルバーハーモナイザーシリーズの発展で得た知識と経験をもとに、試行錯誤を得てたどり着いた組み合わせです。

質量は約320gと、レコードスタビライザーとしてはちょうど良い重さに仕上げております。このレコードスタビライザーの質量というものは、レコード再生に如実に影響を与えるものであり、重すぎると得てして高域の延びやかさが削がれた重苦しい音色になりがちで、軽いと音の密度感や芯というものが物足りなく感じることがあります。その絶妙な質量のチューニングにこだわった結果が、“SILVER HARMONIZER RS”に反映されています。


“SILVER HARMONIZER RS”に内蔵された3種の天然鉱石の微粉末は、他の“SILVER HARMONIZER ”シリーズに共通の通称「大蛇粉」や「大蛇パウダー」と呼ばれるもので、電磁波吸収性を有する鉱石、静電気除去作用を有する鉱石などで構成されています。この「大蛇粉」をレコードスタビライザー内に仮想アース効果を損なわず、かつ「大蛇粉」がスタビライザー外部に漏れ出すことなく封入する手法に、“SILVER HARMONIZER RS”における最大の苦労がありました。勘案の末、オリジナルで高密度銀メッキ編組銅チューブを製作し、そこに「大蛇粉」を充填して内蔵するというアイデアを発想。この発案で“SILVER HARMONIZER RS”は製品化にこぎつけました。これにより、レコード盤に生じた静電気をスピンドルを介して“SILVER HARMONIZER RS”内部に導き、シルバーハーモナイザーによる仮想アース機能によって吸い取る、という作用機序が実現。


“SILVER HARMONIZER RS”の天井面と底面には、NBRゴムによる大型のOリングが装着されており、レコード盤のレーベル面を傷めることなく、レコード盤に“SILVER HARMONIZER RS”を乗せることができます。

“SILVER HARMONIZER RS”の最大径は55mm(上部アルミハウジングおよび下部アルミハウジング)、中央のステンレスハウジングの径は54mmで、わずかな段差を設けています。この直径と段差が“SILVER HARMONIZER RS”の握りやさにつながっています。レコードスタビライザーの握りやすさは、レコードスタビライザーの設計において非常に重要なポイントと考えています。引っかかりがなく、握りにくいスタビライザーをレコード盤に乗せようとして、誤って貴重なレコード盤に落下させて傷を付けてしまった経験が、自他ともにまま見受けられるためです。

肝心の“SILVER HARMONIZER RS”の音色ですが、当店の試聴システムでは、低域の適度なダンピングの向上で、重心を少し下げつつ、適度にエッジの効いた緊張感によって輪郭の鮮明さが向上。ボーカルをはじめとした楽器の存在がより明瞭になる傾向が感じられます。決して耳当たりのきつい音色ではなく、程よい艶と煌びやかさが加味された、むしろ耳当たりの心地よさが感じられます。音の曇りが晴れ、実体感が増すことによる、シルバーハーモナイザーシリーズと共通のリアリティの向上と言えるでしょう。ボーカルのビブラートがスーッと心地よく伸び切る、そんな印象です。皆さんのオーディオシステムでは、どのようなパフォーマンスを発揮するでしょう。

SILVER HARMONIZER RSオンラインショップ

<SILVER HARMONIZER RSスペック>
・質量320g
・最大径55mm、高さ62mm
・素材:アルミ/ステンレス/真鍮/ゴム/純銀/銅/天然鉱石など
・価格:18,900円税込み


<注意事項>
・高さが62mmあるので、レコードプレーヤーのカバーを閉じた状態だと当たる可能性があります。その場合はカバーを開けた状態、またはカバーを外した状態でお使いください。
・LINNのLP-12など柔らかいサスペンションを有したレコードプレーヤーでもぎりぎりお使いいただける質量ですが、気になる方はご使用をお控えください。
・本体底面にはNBRゴムのOリングが埋め込まれています。長期間放置すると、設置面に色移りする可能性があります。レコード盤のレーベル面に乗せたまま何か月も放置することは、お避け頂いた方が良いでしょう。

・ハウジング中央のステンレスの部分には、調達部材の都合上、小傷が複数見受けられることがありますが、部材の調達上やむを得ないものなので、多少の小傷はご容赦ください。

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